クローバーフィールド HAKAISHA

　クローバーフィールド　HAKAISHAを見てきました。



　この映画は、内容に関して徹底的な隠蔽を行ってきました。
　なにせ、映画を見る前から判るっている内容は、

・自由の女神の頭が吹っ飛んでくる
・巨大な「何か」がマンハッタンで暴れてる
・対「何か」のため、軍隊とかも出動しちゃってる

　以上。

　トレーラーとか見ても、なんだかさっぱりわかりません。

　で、実際見に行ってきたわけですが、ここまでやっていると全ての内容がネタバレになるわけでして、先を見たい方は「つづきはこちら（ネタバレ注意）」をクリックしてやってくださいな。

　まず、公式サイトにも書かれてる注意「特別な手法による映像」。
　これは、全編手持ちカメラで撮られた（風）の映像なため、激しく揺れまくるわけで、そのため人によっては画面酔いを起こすかもしれないです。
　「映画全部が手持ちビデオカメラの映像なの？　HAHAHAまさか！」と思われますが、本当に全部手持ちビデオカメラです。

　先に書いちゃいますが、映画を見てきて判ったことが、

・この映画（というか映像）は「クローバーフィールド事件」という名前がつけられた映像である
・映像のテープは、主人公の一人であるロブとベスのデートの映像に上書きした形で記録されていて、テープ換えなかったせいで撮っていない間の時間だけその映像が流れる
・「何か」は巨大なモンスター、全身肌色で細長い手足でマンハッタンを破壊しまくる
・巨大な「何か」は人間を喰う
・「何か」の身体から、小さいモンスター（エイリアンの幼体見たいなやつ）を無数に沸いてくる
・「巨大な何か」と「小さい何か」は、とにかく気色悪い
・この小さいモンスターに噛まれた人間はなにかに感染するらしく、数刻後に全身から血を噴出して破裂する
・軍はこの「何か」についての何かを隠している（可能性がある）
・この映像はあくまで「モンスターが現れたマンハッタンの一般市民が逃げながら撮ったビデオカメラの映像」である　
・なので劇中、全ての謎は一切解決されません、この「何か」が死んだかどうかすらわからない

　続編がでることがほぼ確定らしく、ひょっとしたらこの映画は1時間ちょっとかけた壮大なオープニングに過ぎないのかもしれません。


　でまあそんな内容の映画なんで、感想書こうにも書きづらい。

　ハンディのビデオカメラの映像なんで、えらくリアル感があります。画面すっげーゆれるし。
　例えば真っ暗なトンネルの中で暗視カメラに切り替えた瞬間に見えたのは小さいモンスターが今襲いかかろうとしている瞬間だったり、終盤でハッドがこの巨大なほうのモンスターに食われたときなんかもカメラ持ちっぱなしなまま目が合っちゃって恐怖で立ちすくむため、えらく怖いです。
　そして喰い散らかされるハッド（ずっとカメラ撮ってた人）。映像では見えないですが、下半身食いちぎられた模様。基本的に救いは一切無いです。
　そんな感じに全体的にグロい描写もあり、その辺うまく直接映像では見えないように隠しているわけですがね、それは逆に怖いデスヨ。
　月レヴィさん、ポップコーン買って入ったんですが、途中で食べる気なくしました。

　最後はこの「何か」を倒すためにマンハッタン島ごと攻撃するという作戦が展開され、その爆撃に巻き込まれてその場にいた全員死亡（たぶん）。
　その後録画がストップしデート中の映像が流れ、ちょうどテープも終わる寸前だったらしく最後に一言言って締めくくられる。しかも皮肉なことにそれは「良い一日だった」というセリフで、映画（映像）はそこで終わる。

　ちなみに、一度この「何か」に対して絨毯爆撃が行われているんですが、この「何か」の見た目はひょろ長いのに頑丈なのか、ほぼ無傷なんですよねぇ。
　マンハッタン島ごと破壊しても、死んでなさそうな予感。全編通して非常に不安な気持ちになり、終わってからもその不安は拭い去られることはありません。「そこで終わりかい！」と突っ込みたくなるくらいです。「良い一日だった」でオチが付いてるんですが、微妙な空気のまま何も解決されないので、なんかモヤモヤしたものが残ります（というかそれが狙いでしょう）。
　どれくらいのモヤモヤ感かというと、終わった後見ていたほかの人、誰も喋らないくらい。映画館で見た映画で、終わった後誰も何も喋らず、こんなにも静かに退場したのは初めてでしたね。（まあレイトショーの時間だったってのもありますが）


　さて、この映画で気になったことがいくつか。
・ベス、鉄柱が心臓付近を貫通してたが、そのあと普通に走ってやがったぞ？
・ハッドはかなり空気が読めない子
・リリーだけかろうじて別のヘリに乗ってるんで、彼女だけ助かっている可能性大
・最後のデートシーンの映像の中、こっそり何かが海に落下している
・ＢＧＭはエンドロール以外に一切無し、まああったらいかんよね、これはただのビデオカメラの映像なんだから
・カメラずっと持ってた人物の名前がハッド（ＨＵＤ）なのは、なにかの洒落なのかねぇ？


　そんなわけで、ネタバレしたとは言っても、結局のところ見に行ってない人がこの文章見てもサッパリだと思います。
　もしこのネタバレ見ちゃった人でもまだ見て無いって人は、見に行ってみるのもいいでしょう。

　ただし、公開から1ヶ月が経っている為、もうこの映画を配給しているシアターはそう多くはないので、見たいなら少なくとも今週中が限界かと思うので、そこんところ注意で。